福島第一原発事故、保安院は初動で判断ミス
2011年4月23日15時1分:「福島原発、当初は事故でない「レベル3」と評価 保安院」(朝日新聞)
「経済産業省原子力安全・保安院が、福島第一原子力発電所の事故について、事故やトラブルの深刻さを示す国際原子力事象評価尺度(INES)で当初は「レベル3」と暫定評価していたことがわかった。レベル3は「事故」ではなく「事象」に分類される。保安院の初動の認識が甘かったことを示した。
保安院は3月12日夜の記者会見でINESで「事故」にあたるレベル4と発表した。その後、旧ソ連チェルノブイリ原発事故に匹敵する最高のレベル7にまで引き上げられた。
レベル3の評価は地震発生から約10時間後の3月12日午前0時半の段階。福島第一1~3号機、福島第二1、2、4号機について地震と津波の影響で、外部電源も非常用電源も使えなくなっており、原子炉から熱を除く機能が失われたことから評価した。
その2時間半後には福島第一原発で放射性物質を含む蒸気を外部へ放出する排気(ベント)の方針が発表された。このころ、すでに原子炉につながる配管の隙間などから放射性物質が外部に漏れ出していたとみられ、12日午前6時には中央制御室の放射線量が通常の1千倍に上がったと公表された。住田健二・大阪大名誉教授は「進行中の事故を評価するのは難しい」としたうえで、当初レベル3とした評価について「今からふりかえってみれば、認識が甘かった証しなのではないか」と話している
水素爆発を起こす以前に、原子炉の圧力上昇とともに放射性物質の漏れ量は増加していったということでしょう。
圧力容器は、ボイラー等と同様に最高運転圧力よりも高い圧力に耐えられるよう設計され水圧試験を受けています。でもそこに接続されている外部配管や補器類の接続部については圧力容器と同等の機密性を確保することは、難しいことなのです。
「ベントをすぐ実施できていたら、問題は起きなかったのか」これについては原子炉圧力容器の圧力を一時的に下げることはできますが、内部の水の自己蒸発(圧力低下による沸騰)により内部の水位が低下していきます。下がりすぎると核燃料が水面から露出しその部分が温度上昇し、水素発生へと進んでいきます。これを防止するには水の補給が必要です。はたして崩壊熱を発生し続け高圧状態になっている原子炉圧力容器に水の補給が可能だったのかどうかがポイントのように思えます。
以上、雑感です。
「経済産業省原子力安全・保安院が、福島第一原子力発電所の事故について、事故やトラブルの深刻さを示す国際原子力事象評価尺度(INES)で当初は「レベル3」と暫定評価していたことがわかった。レベル3は「事故」ではなく「事象」に分類される。保安院の初動の認識が甘かったことを示した。
保安院は3月12日夜の記者会見でINESで「事故」にあたるレベル4と発表した。その後、旧ソ連チェルノブイリ原発事故に匹敵する最高のレベル7にまで引き上げられた。
レベル3の評価は地震発生から約10時間後の3月12日午前0時半の段階。福島第一1~3号機、福島第二1、2、4号機について地震と津波の影響で、外部電源も非常用電源も使えなくなっており、原子炉から熱を除く機能が失われたことから評価した。
その2時間半後には福島第一原発で放射性物質を含む蒸気を外部へ放出する排気(ベント)の方針が発表された。このころ、すでに原子炉につながる配管の隙間などから放射性物質が外部に漏れ出していたとみられ、12日午前6時には中央制御室の放射線量が通常の1千倍に上がったと公表された。住田健二・大阪大名誉教授は「進行中の事故を評価するのは難しい」としたうえで、当初レベル3とした評価について「今からふりかえってみれば、認識が甘かった証しなのではないか」と話している
水素爆発を起こす以前に、原子炉の圧力上昇とともに放射性物質の漏れ量は増加していったということでしょう。
圧力容器は、ボイラー等と同様に最高運転圧力よりも高い圧力に耐えられるよう設計され水圧試験を受けています。でもそこに接続されている外部配管や補器類の接続部については圧力容器と同等の機密性を確保することは、難しいことなのです。
「ベントをすぐ実施できていたら、問題は起きなかったのか」これについては原子炉圧力容器の圧力を一時的に下げることはできますが、内部の水の自己蒸発(圧力低下による沸騰)により内部の水位が低下していきます。下がりすぎると核燃料が水面から露出しその部分が温度上昇し、水素発生へと進んでいきます。これを防止するには水の補給が必要です。はたして崩壊熱を発生し続け高圧状態になっている原子炉圧力容器に水の補給が可能だったのかどうかがポイントのように思えます。
以上、雑感です。
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