ロッドのハンドル周りの構造
コンパクトに収めるためロッドのハンドル周りの構造は下図のようにしました。

3ピース構造です。リアグリップは複数作る予定です。
一応、ハマチ、ヒラスズキとのやり取りを想定しています。
チョイ釣りで、狙えるとも思えませんが、夢ばかり広がっていきます。(笑)

リアグリップはミドルグリップの隙間を0~30mmの任意の位置で固定できるようにしました。
並継き部分のブランクスの内断面と外断面をわずかな楕円形に仕上げることで、カーボンの弾性を利用しこの伸縮構造を実現しました。長径と短径の差は数十μmです。

これが、ほぼ完成に近い実物です。

次回は細部の紹介をします。

3ピース構造です。リアグリップは複数作る予定です。
一応、ハマチ、ヒラスズキとのやり取りを想定しています。
チョイ釣りで、狙えるとも思えませんが、夢ばかり広がっていきます。(笑)

リアグリップはミドルグリップの隙間を0~30mmの任意の位置で固定できるようにしました。
並継き部分のブランクスの内断面と外断面をわずかな楕円形に仕上げることで、カーボンの弾性を利用しこの伸縮構造を実現しました。長径と短径の差は数十μmです。

これが、ほぼ完成に近い実物です。

次回は細部の紹介をします。
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- ブランクスの塗装 (2013/09/17)
- ブランクスの加工 (2013/09/15)
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ブランクスの塗装
削り出したブランクスの塗装法です。
まずエポキシでブランクスの保護を目的とした塗装をします。
といっても、今回はLepre工房の独自のやり方です。
エポキシは、硬化後も無色透明であることが条件ですが、今回はその条件に合うダイソーで販売している10分硬化型のエポキシ接着剤を使用しました。これが100円とは思えない品質なのです。希望としては30分効果型が欲しかったのですが、どうも扱っていないようでした。
これを溶剤で薄めて使います。
溶剤は、エポキシうすめ液がいいとは思いますが、手元にない場合はラッカー系のもので溶いてみて均一に薄まればあまり問題はないと思います。今回は余っていたウレタンうすめ液を用い、塗布テストで問題ないことを確認後使用しました。

エポキシのA液とB液を混合後うすめ液で溶き、硬化時間が短いためできるだけ薄く刷毛塗りすることを心がけました。
エポキシは10分硬化型ですが、うすめ液で溶くことで、硬化時間は夏場でも15分くらいかかります。気泡がついた場合は、加熱して気泡をとっても良いのですが溶剤で薄めている関係で加熱すると溶剤が急激に気化し逆に気泡が多く発生することがありますので注意が必要です。今回は初期に素早く針等で潰しました。ロッドドライヤーで回しながら硬化せるのがいいのですが、硬化時間が短いため、数分間手でゆっくり回してもうまくいくようです。手で回す場合1回転5、6秒です。

塗布後5分経過しても、塗膜に目立つ不均一なところがある場合には、ヘアードライヤーで、加熱し過ぎによる気泡の発生に注意しながら、ゆっくり加熱します。エポキシは硬化前であれば加熱により軟化し流動性が出てくるので、回転させながら不均一な部分を修正します。尚、エポキシは加熱後硬化が早まりますので注意が必要です。もし塗膜が厚く気泡が多量に発生してしまい、硬化の進行によりそれが抜けなくなった場合には、直ちに溶剤でエポキシを拭き取り、やり直します。但し、あと工程ではサンドペーパーで表面を研磨しますので多少の塗膜の不均一はあまり問題にはなりません。
失敗しないためには、できるだけ薄く、素早く塗ることです。塗膜はかなり薄く塗ったつもりでも0.02mm以上はあると思いますので、ブランクスの外径調整でもっと厚く塗る場合はエポキシの重ね塗り、あるいはカラー塗装の時に調整します。
今回はクリアー(エポキシ)の上に、クリアーブラック(アクリル)、クリアー(1液性ウレタン)の順番でを塗装しました。
下の画像の中に逆印籠継ぎのものが見られますね。振出し式なのになぜ?
この部分はバットの上に位置する部分です。
性能重視、軽量化重視、強度重視、利便性重視の結果ですが、その理由はまたの機会に説明します。

最終塗装から約1週間の乾燥の後、砥石とサンドペーパーで仕上げ寸法合わせを行いました。

下の画像は塗装面用の#2000のコンパウンドによる研磨後の状態です。

ここまでに約4ヶ月かかってしまいました。A社の一液性ウレタンスプレーの硬化不良のトラブルによる塗装のやり直しが主な原因です。ウレタンスプレーの長期在庫品の購入には注意が必要です。約1ヶ月試行を繰り返した末、証拠を揃え購入店で交換してもらいました。しかし、それも同一ロットのようで再度失敗。2週間たっても表面に粘着性があり、熱硬化型耐熱塗料の焼き付け温度不良のような状態が続き、ヘアードライヤーで加熱してもダメ。ブランクスだけでなくリールパイプもカラー塗装後、このウレタンスプレーで仕上げしていたため、2度失敗しました。結局、同一メーカーの瓶入りを別の販売店で購入し、スプレーガンで塗装しました。
次回は構造についての説明です。
まずエポキシでブランクスの保護を目的とした塗装をします。
といっても、今回はLepre工房の独自のやり方です。
エポキシは、硬化後も無色透明であることが条件ですが、今回はその条件に合うダイソーで販売している10分硬化型のエポキシ接着剤を使用しました。これが100円とは思えない品質なのです。希望としては30分効果型が欲しかったのですが、どうも扱っていないようでした。
これを溶剤で薄めて使います。
溶剤は、エポキシうすめ液がいいとは思いますが、手元にない場合はラッカー系のもので溶いてみて均一に薄まればあまり問題はないと思います。今回は余っていたウレタンうすめ液を用い、塗布テストで問題ないことを確認後使用しました。

エポキシのA液とB液を混合後うすめ液で溶き、硬化時間が短いためできるだけ薄く刷毛塗りすることを心がけました。
エポキシは10分硬化型ですが、うすめ液で溶くことで、硬化時間は夏場でも15分くらいかかります。気泡がついた場合は、加熱して気泡をとっても良いのですが溶剤で薄めている関係で加熱すると溶剤が急激に気化し逆に気泡が多く発生することがありますので注意が必要です。今回は初期に素早く針等で潰しました。ロッドドライヤーで回しながら硬化せるのがいいのですが、硬化時間が短いため、数分間手でゆっくり回してもうまくいくようです。手で回す場合1回転5、6秒です。

塗布後5分経過しても、塗膜に目立つ不均一なところがある場合には、ヘアードライヤーで、加熱し過ぎによる気泡の発生に注意しながら、ゆっくり加熱します。エポキシは硬化前であれば加熱により軟化し流動性が出てくるので、回転させながら不均一な部分を修正します。尚、エポキシは加熱後硬化が早まりますので注意が必要です。もし塗膜が厚く気泡が多量に発生してしまい、硬化の進行によりそれが抜けなくなった場合には、直ちに溶剤でエポキシを拭き取り、やり直します。但し、あと工程ではサンドペーパーで表面を研磨しますので多少の塗膜の不均一はあまり問題にはなりません。
失敗しないためには、できるだけ薄く、素早く塗ることです。塗膜はかなり薄く塗ったつもりでも0.02mm以上はあると思いますので、ブランクスの外径調整でもっと厚く塗る場合はエポキシの重ね塗り、あるいはカラー塗装の時に調整します。
今回はクリアー(エポキシ)の上に、クリアーブラック(アクリル)、クリアー(1液性ウレタン)の順番でを塗装しました。
下の画像の中に逆印籠継ぎのものが見られますね。振出し式なのになぜ?
この部分はバットの上に位置する部分です。
性能重視、軽量化重視、強度重視、利便性重視の結果ですが、その理由はまたの機会に説明します。

最終塗装から約1週間の乾燥の後、砥石とサンドペーパーで仕上げ寸法合わせを行いました。

下の画像は塗装面用の#2000のコンパウンドによる研磨後の状態です。

ここまでに約4ヶ月かかってしまいました。A社の一液性ウレタンスプレーの硬化不良のトラブルによる塗装のやり直しが主な原因です。ウレタンスプレーの長期在庫品の購入には注意が必要です。約1ヶ月試行を繰り返した末、証拠を揃え購入店で交換してもらいました。しかし、それも同一ロットのようで再度失敗。2週間たっても表面に粘着性があり、熱硬化型耐熱塗料の焼き付け温度不良のような状態が続き、ヘアードライヤーで加熱してもダメ。ブランクスだけでなくリールパイプもカラー塗装後、このウレタンスプレーで仕上げしていたため、2度失敗しました。結局、同一メーカーの瓶入りを別の販売店で購入し、スプレーガンで塗装しました。
次回は構造についての説明です。
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- コンパクトロッドの制作 (2013/09/02)
ブランクスの加工
2013年09月16日追記
前回「振出しの接合部の寸法精度を確保するためコンパウンドで摺り合わせを行います。」と説明しましたが、実は1工程説明が抜けておりました。それは、ブランクス表面の分厚い塗料を真円度を落とすことなく均一に剥がすこと。
このブランクスの元の素材、ボロンの部分は別にしてその構造を見ると、カーボンの織物構造ではなく、カーボン繊維を縦(軸方向)に並べた上に、横(周方向)に一定の間隔でカーボン繊維の束を帯状に置くという構造で表面はエポキシと思われる分厚い樹脂がコーティングされています。そのため、見るからに厚さは均一でばありません。

まずはサンドペーパーで表面の樹脂層をおおよそ取り除き均一な表面に仕上げます。

この加工では、ブランクスは先と元側では径が違いますので、その変化勾配を均一に保ちながら行わねばなりません。またブランクの断面は真円ではありません。楕円形になっており、径の太い部分では径の差は0.1mm程度あります。
そのために、真円度と部分部分の径の計測を行いながら、ブランクス外周部を少しずつ削っていきます。
今回旋盤を使っていますが、外力によりブランクス自体がたわむため切削刃物は使わずサンドペーパーを軽く当てるという方法で行いました。

ブランクスの軸方向の直線性の確認には下のうようなものを使いました。
これはアイビーム形ストレートエッジです。
エンジンのシリンダーヘッド等の当たり面の平面性を確認するためのものです。

アイビーム形ストレートエッジの上下面は高精度の平面性が確保されています。

この平面を利用し直線性を確認します。(画像は今回のロッド制作とは関係のない別のブランクスです。)

下の画像のように隙間があることを確認できますので、スキマゲージでその隙間を計測します。(画像は今回のロッド制作とは関係のない別のブランクスです。)

出っ張り部分をマーキングして砥石(#1000)で軽く軸方向に動かし研磨することで、隙間を小さくしていきます。(画像は今回のロッド制作とは関係のない別のブランクスです。)

あまりブランクスを削ることは避けたいので、そこそこの精度でOKとします。(画像は今回のロッド制作とは関係のない別のブランクスです。)

寸法は、マイクロメーターやノギスで計測しました。40μm=0.04mm以内の精度には収まっていました。

この作業のあと、先の「振出しの接合部の寸法精度を確保するためコンパウンドで摺り合わせ」へ進みます。
ただ、仕上げたブランクスにより外径が大きくなる(0.02~0.1mm)ため、そのことを考慮して行います。若干削りすぎた場合は、塗膜の厚みで調整します。
ここまでの感想は、「振出し構造のブランクスの加工はなんと面倒なことか。印籠継ぎにすれば良かった。でも元の素材が振出し式だから仕方ない。」
という訳で、どうせ一品ものの手作りなら、量産では作れないものを作ろうと、制作コンセプトを練り直しました。それはまたの機会に・・・。
次回は塗装について説明しますが、一般のブランクスの塗装法とは全く異なります。
前回「振出しの接合部の寸法精度を確保するためコンパウンドで摺り合わせを行います。」と説明しましたが、実は1工程説明が抜けておりました。それは、ブランクス表面の分厚い塗料を真円度を落とすことなく均一に剥がすこと。
このブランクスの元の素材、ボロンの部分は別にしてその構造を見ると、カーボンの織物構造ではなく、カーボン繊維を縦(軸方向)に並べた上に、横(周方向)に一定の間隔でカーボン繊維の束を帯状に置くという構造で表面はエポキシと思われる分厚い樹脂がコーティングされています。そのため、見るからに厚さは均一でばありません。

まずはサンドペーパーで表面の樹脂層をおおよそ取り除き均一な表面に仕上げます。

この加工では、ブランクスは先と元側では径が違いますので、その変化勾配を均一に保ちながら行わねばなりません。またブランクの断面は真円ではありません。楕円形になっており、径の太い部分では径の差は0.1mm程度あります。
そのために、真円度と部分部分の径の計測を行いながら、ブランクス外周部を少しずつ削っていきます。
今回旋盤を使っていますが、外力によりブランクス自体がたわむため切削刃物は使わずサンドペーパーを軽く当てるという方法で行いました。

ブランクスの軸方向の直線性の確認には下のうようなものを使いました。
これはアイビーム形ストレートエッジです。
エンジンのシリンダーヘッド等の当たり面の平面性を確認するためのものです。

アイビーム形ストレートエッジの上下面は高精度の平面性が確保されています。

この平面を利用し直線性を確認します。(画像は今回のロッド制作とは関係のない別のブランクスです。)

下の画像のように隙間があることを確認できますので、スキマゲージでその隙間を計測します。(画像は今回のロッド制作とは関係のない別のブランクスです。)

出っ張り部分をマーキングして砥石(#1000)で軽く軸方向に動かし研磨することで、隙間を小さくしていきます。(画像は今回のロッド制作とは関係のない別のブランクスです。)

あまりブランクスを削ることは避けたいので、そこそこの精度でOKとします。(画像は今回のロッド制作とは関係のない別のブランクスです。)

寸法は、マイクロメーターやノギスで計測しました。40μm=0.04mm以内の精度には収まっていました。

この作業のあと、先の「振出しの接合部の寸法精度を確保するためコンパウンドで摺り合わせ」へ進みます。
ただ、仕上げたブランクスにより外径が大きくなる(0.02~0.1mm)ため、そのことを考慮して行います。若干削りすぎた場合は、塗膜の厚みで調整します。
ここまでの感想は、「振出し構造のブランクスの加工はなんと面倒なことか。印籠継ぎにすれば良かった。でも元の素材が振出し式だから仕方ない。」
という訳で、どうせ一品ものの手作りなら、量産では作れないものを作ろうと、制作コンセプトを練り直しました。それはまたの機会に・・・。
次回は塗装について説明しますが、一般のブランクスの塗装法とは全く異なります。
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- コンパクトロッドの制作 (2013/09/02)
- ヒラスズキ (2012/07/04)
コンパクトロッドの制作
観光目的の旅で、ちょっと釣りができたらなぁーとしばしば思うことがあります。
そのため、以前に英国シマノ製のTEXBXMTS27 を購入しましたが、この竿、自分の使い方では強度的に弱いようで、2度も折れてしまい使用を断念。
その破損原因を追求した結果、ブランクスの振出し接続部の加工精度がよろしくないことに起因する応力集中が原因であると思われました。
ちなみに国内市販品には心躍らせるロッドも見当たらず、コンパクト振出しロッドを自作することにしました。(数ヶ月に開始)
その素材は、昔々磯釣りをしていた頃に使っていたNFTのボロン翔磯4号にしました。
このロッドは、ボロンとカーボンを強度素材として融合させた当時としては超高性能ブランクスでした。
このボロンとはタングステンの極細線に硼素を付着させたもので、強度・剛性にすぐれ、航空機の可動翼や水平安定板、ゴルフのシャフトなどにも使用されています。
この貴重なボロンブランクスを最大限活用したロッドを制作することにしました。

仕舞い寸法を42cm以下にすべく、接合部の内径と外形を考慮しながら寸法取りを行い切断。

このボロンブランクスはカーボン繊維の中、あるいは内面の浅い位置ににボロンを配置してありました。
このボロンは非常に硬く切断にはダイヤモンドヤスリを使用しました。
通常のヤスリでは、なかなか切断できず、また切断部もかなり荒れてしまいカーボンの剥離を引き起こしてしまいます。ちなみにダイヤモンドヤスリもすべての加工終了時にはナマクラになってしまいました。
下の画像は、外形16mm以上の部分のブランクスの内面にうっすら格子状に織り込まれたボロンが視認できました。細いブランクスの部分ではカーボン繊維の真ん中にサンドイッチされた形で配置されていました。

振出しの接合部の寸法精度を確保するためコンパウンドで摺り合わせを行います。


この摺り合わせは、金属の当たり面の加工で行われる手法と同じです。
内側と外側のブランクスの重なり寸法が、目的とする設計値に近くなってくると、コンパウンドをより細かな粒子のものに変えて摺り合わせを行います。(そうしないと内外面を削りすぎ、スポスポになり抜けてしまいますから。)

重なり部分は他の部分より強度は上がるはずです。しか内外面の密着が不十分で部分的に隙間があると重なり部分にかかる力は不均一になり、応力集中が起き破損し易くなります。
次回に、続く・・・・・。
そのため、以前に英国シマノ製のTEXBXMTS27 を購入しましたが、この竿、自分の使い方では強度的に弱いようで、2度も折れてしまい使用を断念。
その破損原因を追求した結果、ブランクスの振出し接続部の加工精度がよろしくないことに起因する応力集中が原因であると思われました。
ちなみに国内市販品には心躍らせるロッドも見当たらず、コンパクト振出しロッドを自作することにしました。(数ヶ月に開始)
その素材は、昔々磯釣りをしていた頃に使っていたNFTのボロン翔磯4号にしました。
このロッドは、ボロンとカーボンを強度素材として融合させた当時としては超高性能ブランクスでした。
このボロンとはタングステンの極細線に硼素を付着させたもので、強度・剛性にすぐれ、航空機の可動翼や水平安定板、ゴルフのシャフトなどにも使用されています。
この貴重なボロンブランクスを最大限活用したロッドを制作することにしました。

仕舞い寸法を42cm以下にすべく、接合部の内径と外形を考慮しながら寸法取りを行い切断。

このボロンブランクスはカーボン繊維の中、あるいは内面の浅い位置ににボロンを配置してありました。
このボロンは非常に硬く切断にはダイヤモンドヤスリを使用しました。
通常のヤスリでは、なかなか切断できず、また切断部もかなり荒れてしまいカーボンの剥離を引き起こしてしまいます。ちなみにダイヤモンドヤスリもすべての加工終了時にはナマクラになってしまいました。
下の画像は、外形16mm以上の部分のブランクスの内面にうっすら格子状に織り込まれたボロンが視認できました。細いブランクスの部分ではカーボン繊維の真ん中にサンドイッチされた形で配置されていました。

振出しの接合部の寸法精度を確保するためコンパウンドで摺り合わせを行います。


この摺り合わせは、金属の当たり面の加工で行われる手法と同じです。
内側と外側のブランクスの重なり寸法が、目的とする設計値に近くなってくると、コンパウンドをより細かな粒子のものに変えて摺り合わせを行います。(そうしないと内外面を削りすぎ、スポスポになり抜けてしまいますから。)

重なり部分は他の部分より強度は上がるはずです。しか内外面の密着が不十分で部分的に隙間があると重なり部分にかかる力は不均一になり、応力集中が起き破損し易くなります。
次回に、続く・・・・・。
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